VIEW39と個別IgE検査の違いとは?

VIEW39と個別IgE検査の違いを比較した図

「VIEW39と個別IgE検査は何が違うの?」「安い検査と高い検査では、精度も違うの?」

アレルギー検査を検討している方から、このような疑問を持たれることがあります。

アレルギーの血液検査には、39種類のアレルゲンをまとめて調べる「VIEW39」と、必要なアレルゲンを選んで調べる「個別IgE検査」があります。

当院では、アレルギーの症状や検査の目的に応じて、これらの検査を使い分けています。

この記事では、VIEW39と個別IgE検査の違いを、検査方法、結果の見方、費用、メリット・デメリット、食物アレルギーの詳しい評価という観点から解説します。

VIEW39と個別IgE検査の比較

VIEW39は幅広いアレルゲンをまとめて調べたい場合、個別IgE検査は疑わしい原因を選んで詳しく調べたい場合に向いています。

比較項目VIEW39個別IgE検査
検査項目39項目固定必要な項目を選択
主な目的幅広いスクリーニング原因の絞り込み・詳しい評価
結果の表示Index値・クラス抗体価(kUA/L)・クラス
検査項目の選択項目を個別に選ぶことはできない必要な項目を選べる
定量値を用いた評価個別検査と同じ形式ではない抗体価を数値で評価できる
プロバビリティーカーブへの利用個別検査の定量値を用いる評価には適さない対象となる食品・条件で可能
向いているケース原因が絞り込めず、幅広く調べたい場合疑わしい原因がある程度わかっている場合

VIEW39と個別IgE検査は、どちらか一方がすべての面で優れているという関係ではありません。幅広く調べることに向いている検査と、必要な項目を選んで詳しく評価することに向いている検査という違いがあります。

VIEW39とは?

VIEW39は、血液検査によって39種類のアレルゲンに対する特異的IgE抗体を調べるセット検査です。

ダニ、ハウスダスト、花粉、動物、カビ、食物など、さまざまなアレルゲンを一度に調べられるため、アレルギー症状の原因がはっきりしない場合に役立ちます。

VIEW39のメリット

  • 39種類のアレルゲンを一度に調べられる
  • 原因が絞り込めていない場合のスクリーニングに適している
  • 多くの項目をまとめて調べられる

VIEW39のデメリット

  • 39項目の中から必要な項目だけを選ぶことはできない
  • 症状と関係の薄い項目まで検査対象になる可能性がある
  • 調べたいアレルゲンが39項目に含まれていない場合がある
  • 個別IgE検査の定量値を用いた詳しい評価には、そのまま利用できない

検査項目が多ければ多いほど、必ず有用な情報が増えるわけではありません。症状や生活環境から原因を考え、適切な検査を選ぶことが大切です。

個別IgE検査とは?

個別IgE検査は、症状や疑われる原因に応じて、必要なアレルゲンを選んで調べる血液検査です。

例えば、花粉症が疑われる場合にはスギやヒノキ、ダニが疑われる場合にはダニ、特定の食物を食べた後に症状が出る場合には、その食物に関連する項目を選んで検査します。

当院で実施している個別の特異的IgE検査では、FEIA法による測定を行っています。代表的な測定システムにイムノキャップ法があります。

個別IgE検査のメリット

  • 症状や疑われる原因に応じて検査項目を選べる
  • 過去の検査結果を参考にして、必要な項目に絞れる
  • 特異的IgE抗体価を数値で評価できる
  • 食物アレルギーの詳しい評価で、定量値を必要とする検査結果の解釈に活用できる

個別IgE検査のデメリット

  • 原因がわからない場合には、検査項目を選ぶ必要がある
  • 幅広い項目を調べる場合には、費用が増えることがある

ただし、検査項目は多ければよいというわけではありません。症状や経過を確認したうえで、必要な項目を選ぶことが重要です。

VIEW39と個別IgE検査では、検査方法も違う

両者の違いは、検査項目数だけではありません。測定システムや結果の報告形式にも違いがあります。

VIEW39の測定方法

VIEW39は、蛍光酵素免疫測定法(FEIA法)を用いた多項目アレルギー検査です。血液中の特異的IgE抗体が検査試薬中のアレルゲンに反応するかを調べ、39種類のアレルゲンについて結果を報告します。

結果はIndex値とクラスで示されます。

個別IgE検査の測定方法

個別IgE検査では、選択したアレルゲンに対する特異的IgE抗体を測定します。イムノキャップ法では、アレルゲンを結合させた固相担体に血清を反応させ、結合したIgE抗体を検出して測定します。

結果は通常、kUA/Lという単位で数値化されます。

検査法の違いは、単にプレートの性能だけで決まるものではありません。固相担体、アレルゲン試薬、測定システム、結果の報告形式など、複数の要素が関係します。

VIEW39と個別IgE検査の結果には一致がみられる場合がありますが、結果の表示形式や、数値を用いた評価方法には違いがあります。検査の精度を単純に価格だけで判断することはできません。

検査法の詳細は、サーモフィッシャーダイアグノスティックスの公式情報もご参照ください。

費用が3倍違うと、精度も3倍違うのか?

VIEW39と個別IgE検査の項目あたりの費用の目安。VIEW39は約110円、個別IgE検査は約330円

当院での検査費用を項目あたりに換算すると、目安としてVIEW39は約110円、個別IgE検査は約330円です。

個別IgE検査は、VIEW39と比べて項目あたり約3倍の費用になります。

ただし、費用が3倍だからといって、精度が3倍高いという意味ではありません。VIEW39も、幅広いアレルゲンを調べるスクリーニング検査として有用です。

一方、個別IgE検査では、必要な項目を選び、特異的IgE抗体価を定量値で評価できます。検査結果を詳しく評価したい場合には、この違いが重要になります。

つまり、価格差は単純な精度の差として考えるのではなく、検査の目的、結果の報告形式、得られる情報の違いを踏まえて考える必要があります。

※上記は、健康保険の3割負担の場合の検査費のみの1項目あたりの目安です。実際の自己負担額は、判断料、検査項目数や診察料などによって異なります。また、保険診療では算定上の条件があるため、項目あたりの金額を単純に掛け合わせた額が窓口負担額になるとは限りません。

食物アレルギーでは、個別IgE検査が重要になることがある

食物アレルギーの診療では、血液検査が陽性か陰性かだけでなく、実際に食べたときの症状、症状が出るまでの時間、食べた量、年齢、これまでの経過などを踏まえて判断します。

プロバビリティーカーブとは?

プロバビリティーカーブは、特定の食物に対する特異的IgE抗体価などと、食物経口負荷試験で症状が誘発される確率との関係を示したものです。

対象となる食品や年齢、検査方法など、一定の条件のもとで得られたデータをもとに、食物アレルギーの診療に活用されます。

ただし、プロバビリティーカーブは個人の発症を確実に予測するものではありません。同じ検査値でも、実際に食べたときの反応は異なることがあります。また、すべての食品に共通して使えるものではありません。

VIEW39のIndex値やクラスを、個別IgE検査の定量値を用いるプロバビリティーカーブにそのまま当てはめることはできません。

食物アレルギーを詳しく評価する場合には、症状や経過に応じた個別IgE検査を検討します。必要に応じて、専門施設で食物経口負荷試験を行うこともあります。

なお、血液検査で特異的IgE抗体が陽性でも、必ず症状が出るとは限りません。検査結果だけを根拠に、食べられる食品まで自己判断で除去しないことが大切です。

VIEW39と個別IgE検査、どちらを選べばよい?

VIEW39が向いているケース

  • アレルギーの原因がわからず、幅広く調べたい
  • 花粉、ダニ、動物、食物など複数の原因が考えられる
  • まずは主要なアレルゲンをまとめて調べたい

個別IgE検査が向いているケース

  • 症状から疑わしいアレルゲンがある程度絞られている
  • 特定の食品や花粉などについて詳しく調べたい
  • 過去の検査結果を参考にして必要な項目を追加したい
  • 食物アレルギーについて、定量値を用いた詳しい評価を行いたい

必ずしもVIEW39を先に受けてから個別IgE検査を追加する必要はありません。症状や検査の目的によっては、最初から個別IgE検査を選ぶほうが適切な場合もあります。

アレルギー検査で大切なのは、数値だけで判断しないこと

血液検査で特異的IgE抗体が検出された場合、そのアレルゲンに対する「感作」が起きていることを示します。しかし、感作されていることと、実際にアレルギー症状が出ることは同じではありません。

検査が陽性でも普段問題なく食べられている食品がある一方、検査結果が陰性でも症状や経過からアレルギーが疑われる場合があります。

検査結果は、症状、生活環境、診察所見などと合わせて判断する必要があります。検査項目の選択から結果の解釈まで、医師と相談しながら進めることが重要です。

よくある質問(FAQ)

Q1.VIEW39と個別IgE検査は、どちらが正確ですか?

一概にどちらが正確とはいえません。VIEW39は多くのアレルゲンをまとめて調べるスクリーニング検査で、個別IgE検査は必要なアレルゲンを選んで定量的に評価できる検査です。検査の目的に応じて使い分けることが大切です。

Q2.VIEW39は個別IgE検査より精度が低いのですか?

VIEW39が一律に低精度というわけではありません。両者には結果の報告形式や測定システムの違いがあります。個別IgE検査では定量値を用いた詳しい評価が可能ですが、それだけであらゆる場面で個別検査が優れているとはいえません。

Q3.VIEW39のほうが安いのはなぜですか?

VIEW39は39項目をまとめて検査するセット検査です。項目あたりの費用は目安として約110円、個別IgE検査は約330円ですが、費用の違いだけで検査の精度を判断することはできません。実際の窓口負担額は、検査項目数や診察料などによって異なります。

Q4.VIEW39で陽性なら、そのアレルゲンを避けるべきですか?

必ずしも避ける必要はありません。陽性は、そのアレルゲンに対する感作を示すもので、実際に症状が出ることを確定するものではありません。症状や生活歴と合わせて医師が判断します。

Q5.食物アレルギーを詳しく調べるには、どちらがよいですか?

疑われる食品や症状、これまでの経過に応じて個別IgE検査を検討します。特異的IgE抗体価が診断の参考になる場合がありますが、血液検査だけで診断が確定するわけではありません。必要に応じて食物経口負荷試験などを検討します。

Q6.VIEW39に含まれていないアレルゲンも検査できますか?

検査可能な項目であれば、個別IgE検査で調べられる場合があります。疑われる原因や症状に応じて、医師にご相談ください。

Q7.アレルギー検査の結果は、どのくらいでわかりますか?

当院では、アレルギーの血液検査の結果はおおむね1週間後にご説明しています。検査内容によって異なる場合がありますので、検査時にご確認ください。

名古屋市天白区でアレルギー検査をご希望の方へ

梅が丘内科とアレルギーのクリニックでは、アレルギー専門医が症状や経過を確認し、必要に応じて血液検査を行っています。

VIEW39による幅広いスクリーニング検査のほか、必要なアレルゲンを選択する個別IgE検査にも対応しています。

「何のアレルギーがあるのかわからない」「以前の検査で陽性だったが、どう考えればよいかわからない」「食物アレルギーについて詳しく調べたい」といったお悩みがある方は、ご相談ください。

検査項目を多くすればよいというわけではありません。症状や検査の目的に応じて、必要な検査を選ぶことが大切です。

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参考情報

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。検査結果の解釈や治療方針は、症状や診察所見などを踏まえて医師が判断します。