咳喘息

咳喘息は、気管支喘息と異なり喘鳴(ゼイゼイ、ヒューヒュー)を伴わず、咳が長引くことを主な症状とする疾患です。喘鳴(ゼイゼイ、ヒューヒュー)はないのですが、咳喘息も喘息です。咳喘息はアレルギー炎症などにより気道過敏性が亢進し、気道が少しでも伸び縮みすると咳が出やすくなってしまっていることが原因と考えられています。そのため、吸入薬(気管支拡張薬)により咳が改善することを確認することが診断の手がかりとなります。

  • 乾いた咳が長期間続くが、喘鳴(ゼイゼイ、ヒューヒュー)は伴わない
  • 夜間や朝方に咳が悪化する
  • 吸入薬(気管支拡張薬)により咳が改善する
  • 気道の伸び縮み(ちょっとした刺激)に対し咳が出やすくなっている(咳嗽反応の亢進)

咳喘息の症状

咳はひどくなると会話中の咳など日中(寒暖差や湿度の差が激しい時)にも出ますが、「寝る前」「深夜」「早朝」に最も悪化します。そのため咳喘息では夜中にひどい咳で起きることがあります。「季節の変わり目」「寒暖差」「運動」「喫煙(副流煙)」「雨天」「花粉」「黄砂」などにより増悪します。

  • 寝る前、深夜、早朝に咳が悪化する
  • 季節の変わり目、悪天候、運動により咳が悪化する
  • 喉のイガイガ感やしめつけ感、胸の重たさを感じることがある

咳はひどくなると会話中の咳など日中(寒暖差や湿度の差が激しい時)にも出ますが、「寝る前」「深夜」「早朝」に最も悪化します。そのため咳喘息では夜中にひどい咳で起きることがあります。「季節の変わり目」「寒暖差」「運動」「喫煙(副流煙)」「雨天」「花粉」「黄砂」などにより増悪します。これらはアレルギー性炎症による「気道過敏性の亢進」によって起こると考えられており、繰り返し起こることが特徴です。そのほかの症状として、「のどの違和感(咽喉頭異常感)」を起こすこともあります。特徴的な所見はのどの異常感である「イガイガ感(痒い感じ)」と「しめつけ感」です。また前胸部(のど~気管のあたり)が重たいという症状で受診される方もいます。
咳喘息はアレルギー性炎症により気道が過敏となっているため、昼夜問わず咳が出るが、就寝前から就寝中、明け方に悪化することが特徴です。

咳喘息の治療

症状をまずとることが大事なので、最初の2週間程度は投薬が多くなります。咳喘息も喘息です。気管支拡張薬だけで症状はある程度とれますが、それだけでは不十分です。当院では、初期治療として中高用量の吸入ステロイド(ICS)と長時間作用β2刺激薬(LABA)の配合剤(ICS/LABA)を使用します。治療が奏功し、症状が改善をしてきたら、薬剤を減らしていきます。ここで大事なのは薬剤を減らすことをいそがないことです。

咳喘息はいつまで治療をするべきか?

非常によく聞かれる質問です。これは実は正解はないと思っておりますが、最低でも吸入ステロイドを数か月続ける必要はあるでしょう。咳喘息は、再発を繰り返し5年以内に成人では3~4割程度、気管支喘息に移行すると言われていますが、吸入ステロイドの使用により喘息への移行率が低下すると報告されています。続きを読む

咳喘息を根本的に解決(体質改善)したい

これもよく聞かれます。皆さん失望されるかもしれませんが、喘息(とくに気管支喘息)気管支喘息についてはこちらは原因が不明で完治は難しいとされています。ただし、治療により、ほぼ無症状になり、健常者と全く同じ生活ができますし、寿命もかわりません。喘息の病態としては気道アレルギーによる気道過敏性の亢進が原因であると考えられていますので、その原因として吸入アレルゲン(ほこり、ダニ、カビ、ペットの毛など)を調べるのも一つの考えです(調べても原因がわからないこともあります)。環境調整(アレルゲンからの回避)はアレルギー疾患において症状悪化を予防するために重要です。続きを読む

治療の流れ

  • 問診・診察
  • 胸部レントゲン、呼気一酸化窒素濃度測定、呼吸機能検査
  • 吸入薬等による治療
  • 定期的なフォローアップ

アドバイス:咳喘息のセルフケア

  • 喉を潤すため、こまめに水分を摂りましょう。
  • 室内の空気を清潔に保つことが、咳を抑える助けになります。
  • 禁煙をしましょう。

ご予約

診療科: アレルギー科, 喘息外来, 咳人外来

院長講演会

令和5年3月13日(月曜日)名古屋市高齢者就業支援センターにて「ぜん息って何?-治療から自己管理まで-」を当クリニック芝﨑正崇院長が講演をいたしました。名古屋市の市内在住・在勤(在学)の多くの方にご参加いただきました。皆様ご清聴ありがとうございます。ご興味のある方は、ご一読ください。何かのご参考になれば幸いです。講演会の詳細はこちらをクリック。