喘息でお困りの方へ
喘息は気道の慢性的な炎症によって引き起こされる呼吸器疾患です。咳や呼吸困難、胸の圧迫感などの症状が続く場合、適切な診断と治療が重要です。喘息といっても、ひとつの疾患ではなく、いろいろなタイプがございます。当院の喘息外来では、最新の治療法と専門医による診療を提供し、患者様一人ひとり
の喘息のタイプを診断し、それに合わせたケアを行います。
当院で対応可能な喘息とその症状:
- 気管支喘息
- 咳喘息
- 小児喘息
- 運動誘発性喘息・アスリート喘息:運動中や運動後に下記喘息症状が出現する。
- 職業性喘息:職場のみで下記喘息症状が出現する。
- 月経喘息:月経周期によって喘息の悪化を認める
- 難治性喘息:通常の喘息治療では症状が完全にとれない喘息
喘息の主な症状
- 咳:特に夜間や早朝に起こりやすい
- 呼吸困難:息を吸ったり吐いたりする際に困難を感じる
- 胸の圧迫感:胸部が締め付けられるような感覚
- 喘鳴(ぜんめい):呼吸する際にヒューヒューという音がする
診断に使われる検査
喘息の診断には、さまざまな検査を行い、患者様の症状や気道の状態を総合的に評価します。
喘息の治療方法
当院では、最新の治療法を取り入れ、患者様にそれぞれの喘息のタイプに合わせた治療を提供しています。当院の喘息外来の特徴として、症状がある場合、まず症状をとるために、1~2週間程度、しっかりと治療をおこない、その後は、漫然と同じ薬を続けることはせずに、症状にあわせて治療薬をへらしていくステップダウン法を採用しています。薬剤の使用法については、患者様の意向を最大限尊重して治療をおこなっています。
- 吸入薬:気道の炎症を抑えるための吸入ステロイド薬や、気道を広げるための気管支拡張薬
- 予防薬:喘息発作を防ぐために、日常的に使用する薬
- 生活習慣の改善:アレルゲンの回避や、適切な環境管理により症状を軽減します
喘息と漢方
喘息の症状に対して、柴朴湯や麦門冬湯などの漢方薬が効果を示したという報告があります。また、「月経喘息」と呼ばれる女性特有の喘息症状には、当帰芍薬散や加味逍遙散が役立つことがあるとされています。
ただし、これらの漢方薬が喘息に科学的に有効であると明確に証明されたわけではありません。そのため、漢方を試してみたい場合は、ぜひ主治医や専門家にご相談ください。体質や症状に合わせた治療方法を一緒に考えていきましょう。
漢方薬は、体全体のバランスを整えることを目的としています。喘息の治療の補助として取り入れることで、症状の改善につながる場合もありますので、どうぞ安心してご相談ください。
喘息の長期管理
喘息の症状は波があるため、外来を受診した際には症状が落ち着いていることも多く、普段の状態を把握することが重要となってきます。外来に通院している際に、当院の喘息外来では、普段の喘息の病状が安定しているかどうか確認(モニタリング)するために、以下のことをおこなっています。
- 1:症状、actスコア(症状のスコア)の確認(毎回)
- 2:ピークフローや症状の日記の確認(毎回)
- 3:呼気一酸化窒素(FeNO)検査や肺機能検査(年齢や喘息のタイプによるが、3~12か月毎)
喘息管理のための日常生活のアドバイス
喘息の症状を管理し、発作を予防するためには、日常生活での注意が必要です。以下のポイントを参考にしてください:
家の中は清潔に!
喘息は、ホコリやペットの毛、フケ、カビ、花粉などのアレルゲンによって引き起こされることが分かっています。家の中はできる限り清潔にして、喘息が起きにくい環境を整えましょう。
外に出るときはマスクを
喘息になると、少しの刺激でも咳が出たり息が苦しくなったりします。外に出るときは気管支への刺激を避けるためにもマスクを着用しましょう。特に空気が冷たい冬の時期は、マスクを着用して冷たい空気から気管支を守ることも効果的です。
ストレスを溜めないようにする
喘息は、ストレスによって悪化することがあります。ストレスを溜め込まないよう、普段から趣味やリラックスできる時間を積極的に確保することでストレスを和らげる工夫をしてみてください。
適度に体を動かす
喘息だからといって家に閉じこもってばかりでは悪影響が出ることが分かっています。調子が良いときは適度な運動を行うことによって心身ともにコンディションを整えていきましょう。
苦しい時は上体を起こす
寝ている間に呼吸が苦しくなった時は、上体を起こすと少し呼吸がしやすくなります。クッションや折りたたんだ座布団、座椅子などにもたれかかると和らぐことがあります。
喘息外来では、患者様の症状を丁寧に伺い、個々に最適な治療法を提案いたします。お気軽にご相談ください。