小児喘息

小児喘息は、子どもの頃に発症する気管支喘息のことです。気管支が狭くなるため、ぜーぜー・ヒューヒューといった喘鳴や咳、痰、呼吸困難が繰り返し起こり、「風邪」や「天候の変化」「季節の変わり目」に悪化しやすいのが特徴です。主にアレルギーが関係しており、子どもの気道は大人より狭いため、風邪をひくだけでも喘鳴を引き起こすことがあります。

小児喘息は遺伝するのか?

喘息は遺伝の影響を受けることが多いですが、環境要因も重要です。家族に喘息の人がいる場合、子どもが喘息になるリスクは高まりますが、必ず発症するわけではありません。また、アトピー性皮膚炎や食物アレルギー、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患がある子どもは喘息になりやすい傾向があります。

小児喘息は治るのか?

小児喘息は、3歳までに発症することが多く、小学校入学までに症状が治まるケースが多いです。しかし、約3割の子どもは成人後も治療が必要です。早期に適切な治療を行えば、成長とともに症状が改善する可能性がありますが、長期間気道の炎症が続くと、気管支が硬くなり、呼吸機能が低下する恐れがあります。

どんなときに受診するべきか?

喘息の症状は、昼間は比較的落ち着いていることが多く、夜間から早朝にかけて悪化しやすいです。そのため、昼間の診察で喘息と診断されないこともあります。以下の症状が続いている場合は、呼吸器内科を受診しましょう:

  • 夜中や明け方に咳込むことがある
  • 風邪をひくと咳が長引く
  • 発作治療薬を使用しても症状が改善しない

小児喘息の診断と検査

小児喘息は、主に症状から診断します。症状がいつ起こるかを正確に伝えることが重要です。乳幼児は検査が難しいこともありますが、鼻水の検査などでアレルギー性炎症の有無を推測することもあります。小学生以上では、肺機能検査や呼気一酸化窒素検査などを行うことがあります。

原因アレルゲン

喘息の原因となるアレルゲンは人それぞれ異なりますが、一般的なものとして「ハウスダスト」「ダニ」「ペットの毛」などがあります。血液検査である程度調べることが可能です。アレルギー反応が起こりやすい環境を避けることが大切です。

小児喘息の治療

喘息治療は、「毎日行う予防治療」と「症状が出たときの治療」に分けられます。気道の炎症は症状がないときも続いているため、継続的な治療が必要です。当院では、ガイドラインに基づき、年齢や病状に合わせた治療を行っています。5歳以下ではアレルギーの薬を用い、コントロールが難しい場合には吸入ステロイド薬を追加します。学童期以降は、適切な検査を行い、個々の病状に合った治療法を選択します。

当院は、喘息を専門とする呼吸器内科医が診療を担当し、将来を見据えた医療を提供しています。早期からの適切な治療が、将来の症状悪化を防ぐことに繋がります。