呼吸器科

呼吸器科とは、呼吸をする肺、気管支、喉の病気を診療する科です。院長は呼吸器が専門です。肺炎、COPD(肺気腫、慢性気管支炎)、間質性肺炎、睡眠時無呼吸症候群、気管支喘息、肺がん・・・呼吸器の病気は様々なものがあります。しかし「聞いたことはあってもよく知らない」という方が多いのではないでしょうか。

気管支喘息

長引く咳、それは喘息かもしれません・・・

気管支喘息とは


気管支喘息とは、肺につながる空気の通り道である気道が炎症を起こしている状態です。炎症といわれてもなんとなくはわかるけど、ピンとこない方が多いと思います。

 

ころんで膝小僧のをすりむいたとしましょう。膝の傷は炎症です。傷ができると炎症をおこして腫れるように、喘息で炎症をおこした気道も腫れます。キズのジクジクに当たるのが気道では痰なのです。ケガの原因がぶつかったり転んだり色々あるように喘息(気道の炎症)の悪化刺激の原因にも色々あります。その1つがアレルギーです。またカゼも悪化の原因の1つです。体質もあります。ひとつだけの原因でおこることは少なく、複数の原因が重なることが多いです。

 

喘息の症状はヒューヒュー、ゼーゼーいう喘鳴だけでなく、気道の慢性的な炎症をもとに空気の流れが制限される症状がすべての症状です。ゼイゼイヒューヒューがなくても、咳だけのこともありますし、胸痛や胸の違和感として感じることもあります。喘息(気道に慢性てきなある状態)を放置しておくと、気道がますます敏感になり、発作をくり返すという悪循環におちいります。その結果、気道壁が厚く硬くなります。これを「気道のリモデリング」といいます。(図1参照)喘息は早期に発見治療すれば、健常人と同じ生活がおくれる疾患です。咳や胸部症状でお悩みの方、お気軽に相談ください。

(図1)

気管支喘息ー診察・検査の流れ


  1. スタッフが簡単な質問用紙をおわたしします。
  2. スタッフが症状をおききします。
  3. 医師が診察をします。聴診では、喘鳴が大事です。

さらに、病状にあわせて、以下の検査をうけることができます。

胸部写真

すぐに結果がわかります。肺炎や肺がんなどがないか確認をします。喘息だけの場合は胸部写真は正常です。

アレルギー検査

血液でおこないます。アレルギー物質に反応する血液の中の抗体を調べます。結果は1~2週間かかります。

肺機能検査・ピークフローメーター

肺機能検査は息を吸ったり、はいたりしていただき、どれくらい息が吸えるか、はけるかを調べます。結果は、すぐにわかります。何mlという体積、また、平均値とくらべての割合(%)両方で表します。ピークフローメーターは自宅に持って帰っていただき、毎日の、呼吸の状態をみていただきます。病院だけでなく、自宅で、呼吸が、毎日どのような状態か患者様自身がしることができます。

呼気一酸化窒素検査

はいた息のなかに含まれる、一酸化窒素の濃度を調べます(気管支喘息の気道の炎症の程度を調べるため)。

他、末梢血(採血で調べます)の好酸球(血液細胞の一種)や、IgEという抗体を調べたりすることもあります。

気管支喘息の治療


空気の通り道である気道の炎症を抑える薬剤を上手に使うことがだいじです。喘息は、気道がはれているので、気道に皮膚に塗り薬をぬるように、薬をつけたいところです。気道は皮膚のように手で塗るわけにはいきません。そこで、でてきたのが、気道への塗り薬、吸入薬です。炎症をとる(腫れをひかせる)ステロイドというお薬を気道へ吸入することにより、気道の腫れをとり、咳などの症状をなくすだけでなく、その奥にある炎症をなおします。吸入ステロイド薬は、長期間安全に使用でき、お子様にも通常の量では、発育に影響がないことがわかてちます。吸入ステロイドは、症状がよくなっても、炎症は残っているため、よくなってもいきなり薬をやめることはせず、数か月以上かけて、ゆっくりと量をへらしていきます。発作、息苦しさがある場合には気管支を拡げる速効性のある吸入薬を使用します。吸入ステロイドでは、高容量を長期間使用しない限りは、点滴や内服ステロイドのような全身的な副作用はまず心配ありません。原因の排除(アレルギーを引き起こす原因となるハウスダスト、カビ、ペットの毛、花粉などのアレルゲンの排除、感冒の予防など)も喘息の治療に薬剤となじくらい大事です。

気管支喘息の治療の目標


  1. 健常人と変わらない日常生活が送れること。正常な発育が保たれること
  2. 正常に近い肺機能を維持すること
  3. 夜間や早朝の咳や呼吸困難がなく十分な夜間睡眠が可能なこと
  4. 喘息発作が起こらないこと
  5. 喘息死の回避
  6. 治療薬による副作用がないこと
  7. 非可逆的な気道リモデリングへの進展を防ぐこと

全く症状のない状態が目標です。炎症を完全におさえれば、健康な人と変わりありません。小児の場合は、成人喘息への予防も目標です。

咳喘息

喘息のなかで、喘鳴がなく咳だけのものを咳喘息といいます。放置すると気管支喘息へ進展します。早期治療が大事です。

咳喘息とは


咳喘息は、慢性的に咳が続く気管支の病気です。一般的な喘息と同様、気道(呼吸をするときに空気の通る道)が狭くなり、いろいろな刺激に対して過敏になって、炎症や咳の発作が起こります。
気管支喘息とにているなと思われる方もいるかもしれません。実は、咳喘息と気管支喘息の違いは、喘鳴があるかないかだけで、喘鳴がなく、咳だけのものが咳喘息、喘鳴があるものが気管支喘息で、原因や治療は基本的には同じと考えていただいて大きな間違いはございません。

診断基準はありますが、一番、確率が高いのは、気管支拡張剤(例えば、メプチンエア)への反応性をみることです。これで、よくなれば、咳喘息の可能性が高まります。喘息といえば、ヒューヒューと苦しいイメージがありましたが、喘息素因をもっているかたは実は、大変多く、また、環境要因もふえて、喘息の方は大変ふえております。ただし、喘息でも早期に発見して、きちんと治療をおこなえば、健常人と全く同じ生活がおくれます。咳喘息の方は、ほとんとの方が治療により、数か月で症状が全くなくなってしまうことが多い印象です。昔のイメージの喘息とは随分とことなってきていると思います。

 

ころんで膝小僧のをすりむいたとしましょう。膝の傷は炎症です。傷ができると炎症をおこして腫れるように、喘息で炎症をおこした気道も腫れます。キズのジクジクに当たるのが気道では痰なのです。ケガの原因がぶつかったり転んだり色々あるように喘息(気道の炎症)の悪化刺激の原因にも色々あります。その1つがアレルギーです。またカゼも悪化の原因の1つです。体質もあります。ひとつだけの原因でおこることは少なく、複数の原因が重なることが多いです。

喘息の症状はヒューヒュー、ゼーゼーいう喘鳴だけでなく、気道の慢性的な炎症をもとに空気の流れが制限される症状がすべての症状です。ゼイゼイヒューヒューがなくても、咳だけのこともありますし、胸痛や胸の違和感として感じることもあります。喘息(気道に慢性てきなある状態)を放置しておくと、気道がますます敏感になり、発作をくり返すという悪循環におちいります。その結果、気道壁が厚く硬くなります。これを「気道のリモデリング」といいます。喘息は早期に発見治療すれば、健常人と同じ生活がおくれる疾患です。咳や胸部症状でお悩みの方、お気軽に相談ください。

咳喘息の治療

吸入ステロイド
吸入による気管支拡張剤で治療をおこないます。ロイコトリエン拮抗薬という内服で治療をおこなう場合もあります。咳喘息であれば、有効なことがほとんどで、ほとんどのかたが症状がなくなります。しかし、症状がとまったあとも、しばらく治療を継続する必要があります。短くて、3か月、2年くらいつづけることもあります。再発が多いので、再発時には治療期間をながめにいたします。気管支喘息とのちがいは、喘鳴があるかないかです(病気の本体は同じと考えられています)。

COPD(タバコによる気管支、肺の慢性炎症性疾患)、肺気腫


COPDはあまり聞きなれない言葉かもしれません。 言葉の定義ですが、慢性閉塞性肺疾患を英語でいうとchronic(慢性の) obstructive(閉塞性の) pulmonary(肺の) disease(疾患)となり、頭文字をとり、COPDといわれています。 COPDは長期間の喫煙が原因で息がはきだしづらくなる、肺の生活習慣病です。日本には40歳以上の8.6%、約530万人以上の患者さんがいるといわれていますが、診断治療されているのは、その1割にすぎません。年齢があがる(タバコの延べ数)ほど、COPDの患者様はふえていきます。タバコが悪さをするのは肺だけではありまん。COPDの患者様は、健常者にくらべて、全身性炎症、栄養障害、骨格筋機能障害、心・血管疾患、骨粗鬆症、抑うつ、糖尿病が多いことが明らかになっています。タバコは全身に炎症をひきおこすのです。 ​お薬(気管支へ直接作用する吸入薬)、食事療法、運動療法、感染予防(かぜの予防)で、ある程度の改善と、病気の進行予防ができます。当院では、投薬の他に、2階のキッチンスタジオを使い、おいしくたべ、苦しくなく動く方法を患者様と一緒に考えてまります。